医療情報技師の医学医療系の頻出問題を解説するページになります。
医療情報技師を目指す人はもちろん、医療情報分野について学びたい方にもわかりやすく紹介していきます。
今回紹介するのは『DPC』となります。
今回抑えておきたい内容をこちらになります。
- DPCとは?
- 包括評価と出来高評価になる項目は?
医療情報技師の試験の内容について知りたい方はこちらの記事をあわせてご覧ください。
https://medical-information-room.com/licentiate_healthcare_information_technologist/
1.DPCについて
DPCは入院医療における診断群分類包括評価における定額支払になります。
基本は医療行為に対して、報酬を支払うのが出来高支払いです。
それに対して包括評価での支払いは、患者の病気、手術の有無や処置の内容によって支払額決まる制度になっています。
すべての診療行為が包括評価にはならず、出来高算定になるものもあるのでこの違いがよくテストでも出題されます。
包括評価と出来高評価と代表的な項目をまとめたのが下記になります。
包括評価 | 出来高評価 |
入院基本料 | 手術 |
投薬 | リハビリ |
検査 | 麻酔 |
画像診断 | 放射線治療 |
1000点未満の処置 | 1000点以上の処置 |
包括対象になるのはホスピタルフィー的な要素(医療機関の運営や固定費にかかわる部分)になります。
逆に出来高の対象になるのはドクターフィー的な要素(手術など医師の技術的なもの)になります。
このほかにDPCで抑えておくポイントを紹介します。
- DPCで割り振られるDPCコードは14桁で病名、手術、処置などで決まる
- 内視鏡検査、カテーテル検査、放射線治療は出来高になる
- 病名は医療資源を最も投入した病名である
DPCについて詳しく知りたい方はこちらも併せてご覧ください。
https://medical-information-room.com/dpc_institution_research/
2.過去5年の出題状況
過去5年の出題状況は以下のような形になっています。
年度 | 出題の有無 |
2019年度 | 〇 |
2018年度 | |
2017年度 | 〇 |
2016年度 | 〇 |
2015年度 | 〇 |
ここ5年は出題傾向としては、ほぼ毎年出題されています。
例年少しずつ出題の仕方は違いますが、よく出題される問題ですのでしっかりと抑えておきましょう。
3.例題(過去問)
DPCの例題として過去問を2問用意しました。
3.1 1問目
問題
DPC/PDPSについて正しいものはどれか。
1.外来診療にも適用される
2.すべての疾患が対象となる
3.1入院あたり定額支払の仕組みである
4.一度決定したコードは入院途中で変更できない
5.病名と手術と処置などの組み合わせでコードが決まる
解答
解答は5になります。
DPCコードは病名、手術、処置などで決定されます。
このDPCコードに関するもので回答4がありますが、入院中のDPCコードは行われた処置や投入した医療資源でかわっていくもののため、入院途中で決定したDPCコードの変更は可能です。
こちらの問題は2019年に出題された問題になります。
3.2 2問目
問題
DPC/PDPSについて包括評価部分に含まれないものはどれか。解答は2つあります。
1.心電図検査
2.生化学検査
3.超音波検査
4.内視鏡検査
5.心臓カテーテル検査
解答
解答は4,5になります。
心臓カテーテルによる検査、内視鏡検査は出来高算定になります。
この2つ以外にも出来高算定になる検査はいくつかあるので、余裕がある人は抑えておきましょう。
こちらは2015年に出題された問題になります。
まとめ:DPCについて
医療情報技師の医学医療系の対策として「DPC」を取り上げました。
日本の入院医療の重要な制度で、大学病院をはじめとする比較的規模が大きい病院はDPC病院であることが多いので、DPCに関わる人は特に抑えておきたい内容です。
最後にまとめとなります。
- DPCは入院医療における診断群分類包括評価における定額支払
- ホスピタルフィー的な要素は包括評価
- ドクターフィー的な要素は出来高評価
医療情報技師の過去問を重点的に実施したい方はこちらの過去問集もあわせてどうぞ。