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2019年8月19日に令和元年度診療報酬改定について告示がでました。
厚労省:令和元年度診療報酬改定
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00026.html
今回は例年の改定ではなく、消費税増税に伴う改定になります。
そのなかでも今回明示された2019年10月からの診断群分類点数表について変更点を見ていきたいと思います。
DPC関連のソフトを取り扱っているメーカーはどこもどたばたしているのではないでしょうか(うちもその一つです)。
エクセルの電子点数表も公表されたので、自分なりに分析した診断群分類点数表の変更点を簡単にまとめてみましたので紹介します。
診断群分類点数表の変更点
変更点のポイントは下記になります。
- DPCの構造に関わる大きな変更はない
- 包括出来高区分が変わったものがある
- 期間・点数が変わったものがある
一つずつ見ていきたいと思います。
DPCの構造に関わる大きな変更はない
2年に1回の改定では新しい重症度等が加わったりして、コーディングの方法が変わることがあります。
今回の改定ではそういった大きな変更はないみたいです。
包括出来高区分が変わったものがある
今回の改定で1件だけ、包括区分から出来高区分に変わったコードがあります。
具体的には
120040xx99x3xx
腟の悪性腫瘍に関わるコードの一つです。
9/30までは包括請求ですが、10/1から出来高請求になるため注意したい内容です。
期間・点数が変わったものがある
消費税増税に伴う改定ということで点数が変わるものがあります。
また、DPC制度は過去のデータをもとに点数や期間決めているため期間もあわせて変わるみたいです。
点数についての変更ですが、ざっと箇条書きでまとめてみました。
- 現在の包括請求のコードは4296件
- 点数が変わるものは4291件
- 点数が変わらないものは4件
- 包括→出来高になるものは1件
- 点数が変わるもののうち3438件が点数アップ
- 点数が変わるもののうち853件が点数ダウン
といったような変更です。
過去のデータをもとに決めていることもあり、増税対応で一律アップというわけではなさそうです。
続いて、入院期間についてです。
こちらも箇条書きでまとめてみました。
- 入院期間がかわったものは80件
- 入院期間がかわらなかったものは4215件
- 包括→出来高になるものは1件
- 入院期間1が変わったものは21件
- 入院期間2が変わったものは58件
- 入院期間3が変わったものは4件
点数ほど大きく変更はなさそうですが、期間が変わると出来高包括の区分がかわってくる入院もあるので注意したいところです。
特に注意したいのは入院期間3が変わった4件です。
入院期間1・2については調べてみると±1の変更だったので、影響は比較的に少ないと思いますが、問題は特定入院期間です。
入院期間3は30の倍数で設定されるため、今回の期間の変更も大きな変更になります。
具体的に変更されるコードは下記になります。
010070xx01x1xx
- 脳血管障害のコードの一つ
- 入院期間3は60日→30日に変更
010070xx9901xx
- 脳血管障害のコードの一つ
- 入院期間3は90日→60日に変更
010080xx97x4xx
- 脳脊髄の感染を伴う炎症のコードの一つ
- 入院期間2は35日→36日
- 入院期間3は180日→210日
161000x201x0xx
- 熱傷・科学熱傷・凍傷・電撃傷のコードの一つ
- 入院期間2は49日→50日
- 入院期間3は90日→120日
この4つは改定を跨ぐ際は特に注意したいです。
まとめ
令和元年度診療報酬の診断群分類点数表の変更について簡単にまとめてみました。
診療報酬改定で、多くの医療機関や関係企業で対応作業に追われていると思います。
今回の内容が少しでもそういった作業に役立てれば幸いです。
最後に今回のまとめとなります。
- DPCの構造に関わる大きな変更はない
- 包括から出来高になったコードが1件ある
- 入院期間が変更になるコードがあり、その中でも入院期間3が変更になるものが4件ある