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データ提出加算

2020年度診療報酬改定によるデータ提出加算変更点のまとめ

2020年度の診療報酬改定に伴い、データ提出加算についても大きな変更がありました。

そこで当サイトでも扱っているデータ提出加算について、変更点のポイントを紹介していきます。

記事の内容

  • データ提出加算の変更点
  • 提出データ評価加算の変更点

 

※この記事は2020年度の診療報酬改定をもとに作成しています。

データ提出加算の変更点

データ提出加算の変更点として、4つのポイントに分けて紹介していきます。

  • 点数
  • データ提出加算が要件となる入院料の拡大
  • データ提出加算の要件を満たさないために急性期一般入院料が算定できないことへの対応
  • 急性期一般入院基本料を算定する病棟以外において90日に1回算定可能

点数  

変更の一つ目ということで点数が変更になりました。

データ提出加算1

イ 許可病床数が200以上の場合 150点140点
ロ 許可病床数が200未満の場合 200点210点

データ提出加算2

イ 許可病床数が200以上の場合 160点150点
ロ 許可病床数が200未満の場合 210点220点

データ提出加算3

イ 許可病床数が200以上の場合 140点
ロ 許可病床数が200未満の場合 210点

データ提出加算4

イ 許可病床数が200以上の場合 150点
ロ 許可病床数が200未満の場合 220点

提出データ評価加算 20点40点

200床以上は点数が下がり、200症未満は点数が上がっています。

また、データ提出加算3、4が追加になり3は1と同じ点数が4は2と同じ点数が選択されています。

データ提出加算が要件となる入院料の拡大  

データ提出加算が要件となる入院料として

  • 200床未満の回復期リハビリテーション病棟入院料5、6
  • 200床未満の療養病棟入院基本料

が追加になりました。

この件に関しては経過措置が設定されています。

  • 令和2年3月31日において現に回復期リハビリテーション病棟入院基本料5、6(200床未満)、療養病棟入院基本料(200床未満)の届け出を行っている病棟については令和4年3月31日までは令和2年度改定前の基準で届け出ても差し支えない
  • 回復期リハビリテーション病棟入院基本料5,6または療養病棟入院基本料(200床未満)の病院であって電子カルテが導入されていない等、データ提出を行うことが困難であることについて正当な理由がある場合については、当分の間令和2年度改定前の基準で届け出ても差し支えない

中医協の資料でも示されていましたが、今回追加になった範囲は様々な理由からデータ提出加算の導入が難しい医療機関が多いと思われます。

それに対応した経過措置ということで上記2点があげられています。

データ提出加算の要件を満たさないために急性期一般入院料が算定できないことへの対応  

現在のルールではデータ提出加算が算定できない場合、多くの入院料が算定できなくなります。

再度算定できるようになるには一定の期間が必要で、それまでその医療機関は提供している医療の質・量にあった入院料を算手できなくなります。

そこで、急性期一般入院料1~7をすでに届け出ていて、データ提出加算が算定できなくなったことで急性期一般入院料を算定できなくなった場合は、急性期一般入院料7を算定できるようになりました。

1年間と限りはありますが、その間に改めてデータ提出加算算定の届け出の手続きを行うことができます。

急性期一般入院基本料を算定する病棟以外において90日に1回算定可能    

データ提出加算の範囲拡大に伴い、慢性期患者が多く入院している病院が増えてきます。

これまでのルールでは退院時に1回算定であったため、慢性期患者の入院が多い病院ではデータ提出加算の対応が厳しいことが予想されました。

そこで、データ提出加算1、2は退院時算定から入院時算定に変更されました。

また、慢性期を中心とした病院向けに90日に1回データ提出加算が算定できるようになりました。

具体的にどういう条件で算定できるかについてはこれからになると思いますが、現状で下記の入院料を算定する病棟に入院している患者が算定できるそうです。

  • 療養病棟入院基本料
  • 結核病棟入院基本料
  • 精神病棟入院基本料
  • 障害者施設等入院基本料
  • 特殊疾患入院医療管理料
  • 回復期リハビリテーション病棟入院料
  • 特殊疾患病棟入院料
  • 緩和ケア病棟入院料
  • 児童・思春期精神科入院医療管理料
  • 認知症治療病棟入院料
  • 地域移行機能強化病棟入院料

 

提出データ評価加算の変更点

提出データ評価加算の変更点として、2つのポイントに分けて紹介していきます。

  • 点数
  • 算定要件の変更

点数  

提出データ提出加算は20点から40点に変更になります。

後述しますが、提出データ評価加算の対象が200床未満になり、より全体のデータ精度をあげたいことから、200床未満の医療機関が算定できるようにしたものではないでしょうか。

算定要件の変更  

これまで提出データ評価加算はデータ提出加算2が算定の要件になっていましたが、データ提出加算2のロ(200症未満)が算定の要件に変更になりました。

これまで200症以上の医療機関で算定していたところは算定できなくなります。

また、要件となるデータの精度も変更になります。

これまでの要件は、DPCデータの様式1、外来EF、診療報酬明細書の未コード化傷病名の割合が1割未満でした。

こちらが今回の改定で

  • DPCデータの様式1、外来EFは2%未満
  • 診療報酬明細書は10%未満

に変更になりました。

これまでの提出データの分析の結果から設定された値になります。

 

まとめ:データ提出加算の変更点    

2020年度の診療報酬改定のデータ提出加算の変更点をまとめました。

データ提出加算3,4の算定や届け出方法など、具体的な通知等はこれからですので、内容が分かり次第反映していく予定です。

最後にこの記事のまとめになります。

  • データ提出加算の算定が必須となる入院料が拡大
  • 90日に1回算定できるデータ提出加算3と4の新設
  • 提出データ評価加算の算定要件がデータ提出加算2からデータ提出加算2のロに変更

算定要件拡大に伴い、これからデータ提出加算を算定する方はこちらもあわせてご確認ください。

 

 

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