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DPC調査「様式1」でのSOFAスコアについて | SOFAスコアとは?

DPC調査の様式1で入力項目にある「SOFAスコア」。

2018年の診療報酬改定から追加になったSOFAスコアについて、まだよくわかってない人は多いのではないでしょうか。

また、これから様式1を作っていく医療機関や担当者にとってはどういったときに入力していいのか分かりにくい項目ではないでしょうか?

 

ここではSOFAスコアとはなにかから、様式1でのSOFAスコアの扱いについて紹介していきます。

この記事は2020年診療報酬改定をもとに作成しています。

1.SOFAスコアとは?

SOFAスコアとはなにか?からSOFAの種類についてここでは紹介します。

1.1 SOFAとはなにか?

SOFAとはSequential Organ Failure Assessment の略で重要臓器の機能不全を点数化したものになります

重要臓器として呼吸器、凝固系、肝機能、心血管系、中枢神経系、腎機能の6つについて、障害の程度を0から4点の5段階でします

重症度をはかる指標としてICUを中心に使用されています。

24 時間毎に評価した各臓器障害スコアの観察期間中の最大値を合計して得られるtotal maximum SOFA score(TMS)は、患者の生命予後と一定の相関関係があることも報告されています。

こういった背景もあり様式1での重症度の測定指標の一つとして取り入れられています。

1.2 SOFAの種類

1.1章で紹介したSOFAですが、様式1や現場で使用されているスコアにはいくつか種類があります。

まず先ほどがあげたSOFAスコアが一つ。

続いてSOFAスコアの小児用のpSOFA(Pediatric SOFA)もあります。

こちらの評価については次章であわせて紹介していきます。  

また、ICU以外や救急時に使用されるqSOFA(quick SOFA) というものもあります。

qSOFAは下記のような基準となっており、2項目以上を満たす場合は敗血症を疑うスコアになっています。

  • 意識変容
  • 呼吸数 ≧ 22回/分
  • 収縮期血圧 ≦ 100mmHg

 

こちらは様式1の入力項目ではありませんが、こういったものがあるということは覚えておいて損はないと思います。

参考文献

■中医協資料(平成29年12月6日)

平成30年度診療報酬改定に向けたDPC/PDPSの対応について(案)

■日本版敗血症診療ガイドライン2016

日本敗血症診療ガイドライン2016(日本救急医学会)

2.様式1でのSOFAの取り扱い

2018年の診療報酬改定で様式1にSOFAの項目が追加になりました。

ここではどういったときに入力するか、どういった内容を入力するかを紹介します。

2.1 様式1でのSOFAはどういう条件で入力するか?

様式1にSOFAの項目が追加になりましたが必須の入力項目ではありません。

SOFAの入力項目に大きく2つあります。

  • SOFA/特定集中治療室
  • SOFA/敗血症

 

まずSOFA/特定集中治療室についてです。

こちらの項目について入力が必須になるのは、特定集中治療室管理料1~4を算定する病床に入院した場合となります

要件で特定集中治療室管理料1,2は2018年改定で追加になった要件のため、特定集中治療室への入室日が 2018年 4月 1 日以降の場合に必須となります。  

特定集中治療室管理料3,4については2020年改定で追加になった要件のため、入室日が2020年10月1日以降の場合に必須になります。

記載のとおり特定集中治療室管理料を算定しているかどうかが基準で、特定集中治療室に入室しても管理料を算定していなければ入力不要となります。

 

続いてSOFA/敗血症についてです。

こちらの項目について入力が必須になるのは、入院契機になった傷病、医療資源をもっとも投入した傷病、併存症、入院後続発症のICD10が180010(敗血症)に分類される場合になります。

こちらも2018年改定で追加になった項目のため、治療開始日が2018年4月1日以降の場合に必須となります。

2.2 様式1のSOFAで入力する内容

SOFAの入力項目については4種類あります。

前章で述べたSOFA/特定集中治療室とSOFA/敗血症が15歳以上とそれ以下で入力項目が分かれます。

  • SOFA/特定集中治療室
  • SOFA/敗血症
  • pSOFA/特定集中治療室
  • pSOFA/敗血症

 

SOFA/特定集中治療室、SOFA/敗血症は同じ評価表を用います。 SOFAの評価表は下記になります(調査実施説明資料から抜粋)。

それぞれの重要臓器で0~4点をつけますが、不明の場合は9を入力します。

この一連の評価をSOFA/特定集中治療室では入室当日、入室翌日、退室日でそれぞれ評価を行います。

SOFA/敗血症では治療開始日、治療開始日翌日でそれぞれ評価を行います。   pSOFA/特定集中治療室、pSOFA/敗血症は小児に適用するもので入力条件はSOFAのものと変わりはありません。

評価表はSOFAのものと変わり、下記のものを使用します(調査実施説明資料から抜粋)。

評価・入力するタイミングもそれぞれSOFAと同じものになります。

参考文献

■調査実施説明資料

厚生労働省:「DPC導入の影響評価に係る調査」実施説明資料

まとめ:様式1でのSOFA項目の取り扱い

様式1でのSOFAスコアについて紹介してきました。

必須の入力項目ではなく、入力条件や項目が複雑なため制度を理解したい項目です。

次回の診療報酬改定にむけてSOFAの重要性も中医協内では高まっているという話も入ってきているので、今後の動向にも注意していきたいところです。

最後にこの記事のまとめになります。

ポイント
  • SOFAとは重要臓器の機能不全を点数化したもの
  • 様式1では特定集中治療室に入室した患者、敗血症患者で評価を入力

 

様式1は他にも多くの入力項目があります。

様式1の特徴やその他の入力項目の概要を知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

https://medical-information-room.com/dpc_research_style1/

 

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