DPC調査「様式1」での肺炎重症度分類について | A-DROPスコアとは?

DPC調査の様式1で入力項目にある「肺炎の重症度分類」。

一つの入力項目で複数の内容を入力するものですので、この項目をよく知らない方は少なくないのではないでしょうか?

また、これから様式1を作っていく医療機関や担当者にとってはどういったときに入力していいのか分かりにくい項目ではないでしょうか?  

 

ここでは肺炎の重症度を測定するA-DROPとはなにかから、様式1での肺炎の重症度分類の扱いについて紹介していきます。

この記事は2020年診療報酬改定をもとに作成しています。

1.A-DROPスコアとは?

様式1の肺炎の重症度分類はA-DROPスコアがベースになっているので、まずA-DROPスコアを見ていきたいと思います。

1.1 A-DROPスコアとは何か?

A-DROPスコアとは肺炎の重症度を評価するもので、治療区分の参考にしているものとなります。

A-DROPとは、重症度を評価する対象の頭文字からとったもので、対象は下記になります。

  • A(Age)
  • D(Dehydration)
  • R(Respiration)
  • O(Orientation)
  • P(Blood Pressure)

 

肺炎患者に対してこれらの項目について重症度を評価し、肺炎の重症度具合や治療区分を検討します。

1.2 A-DROPスコアの評価

A-DROPスコアの評価について紹介していきます。

評価の対象は1.1章でも紹介した5つでそれぞれ基準値があり、その基準を満たしているかどうかで点数付けをします。

各項目の基準は以下になっています。

  • Age:男性 70 歳以上,女性 75 歳以上
  • Dehydration:BUN 21 mg/dL 以上,または脱水あり
  • Respiration:SpO2 90%(≒ PaO2 60Torr)以下
  • Orientation:意識障害あり
  • Blood Pressure:血圧(収縮期)90 mmHg 以下

 

これらの項目について該当するものが何個あるかによって、下記の評価をします。

  • 軽 症:上記 5つの項目のいずれも満足しないもの → 外来治療
  • 中等症:上記項目の1つまたは2つを有するもの → 外来または入院治療
  • 重 症:上記項目の3つを有するもの → 入院治療
  • 超重症:上記項目の4つまたは5つを有するもの →  ICU 入院 ただし、ショックがあれば 1項目のみでも超重症とする

  もちろんこの評価だけでは、治療区分は決めず、患者のそのほかの状態や合併症など総合的に判断して治療方法を決めます。

参考文献

■医療・介護関連肺炎(NHCAP)診療ガイドライン

日本呼吸器学会 医療・介護関連肺炎(NHCAP)診療ガイドライン

2.様式1での肺炎の重症度分類の取り扱い

様式1での肺炎の重症度分類の取り扱いについてここでは紹介していきます。

どういう条件のときに入力するのか?どういった内容を入力するか?について見ていきたいと思います。

2.1 様式1での肺炎の重症度分類ははどういう条件で入力するか?

様式1では肺炎の重症度分類は必須入力項目ではありません。

ではどういったときに入力するか?

入力条件は以下の2つを満たす場合は、入力が必要となります。

  • 15歳以上
  • 医療資源を最も投入した傷病のICD10が040070、040080の分類に属するもの

 

15歳以上で肺炎に関する傷病が医療資源を最も投入した傷病のときに入力します。

2.2 様式1の肺炎の重症度分類で入力する内容

様式1での肺炎の重症度分類はベースはA-DROPスコアです。

入力は7桁のコードで行い、下記のような入力を行います(調査実施説明資料から抜粋)。

 

年齢については他の入力項目でわかるるためここでは入力する必要がないとのことです。

1桁目~4桁目はA-DROPスコアをベースにした項目になります。

基本は該当するしないで1,0を入力しますが、SpO2の項目については値によって入力値が変わるので注意したい項目です。

5桁目~7桁目は肺炎に関する項目でそれぞれ入力を求めています。

A-DROPスコアから転記されている医療機関は転記する箇所を間違えないように注意したいところです。

 

また、この重症度とあわせて、肺炎の重症度を入力する患者に関しては医療介護関連肺炎に該当の有無についても入力が必要になるのでこちらもあわせてチェックしておきたい内容になります。

2.3 コーディングに関する分岐条件

A-DROPスコアはDPCコーディングの分岐の条件になっています。

040080の診断群分類ではA-DROPスコアの値がコーディングするために必要になってきます。

A-DROPスコアの点数を0~5点で分岐するので、DPC病院は忘れずに評価したい内容になります。

参考文献

■調査実施説明資料

厚生労働省:「DPC導入の影響評価に係る調査」実施説明資料

まとめ:様式1での肺炎の重症度分類の取り扱い

様式1での肺炎の重症度分類について紹介してきました。

A-DROPスコアがベースになっていますが、そのまま流用できるわけではないので入力する際は注意したい項目です。

最後にこの記事のまとめになります。

  • A-DROPスコアとは肺炎の重症度を評価するもの
  • 様式1では15歳以上で医療資源を最も投入した傷病のICD10が040070、040080の分類に属するもので入力する

 

様式1は他にも多くの入力項目があります。

様式1の特徴やその他の入力項目の概要を知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

DPC調査の様式1ファイルとは?様式1ファイル作成のポイント

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