様々な世代から人気がある医療事務の仕事。
この医療事務の仕事に就くために、医療事務の資格が必要と思っている方はいらっしゃるのではないでしょうか。
また、医療事務の資格を取得したいが、多くの資格があり、どれを取得すればいいかわからないという方もいるのではないでしょうか。
そこでここでは、医療事務の資格の必要性から資格の種類・内容について紹介していきます。
- 医療事務の仕事に資格は必要?
- 医療事務の資格にはどんなものがあるか?
- 勉強方法は?
目次
1.医療事務の仕事に資格は必要?
まず結論からになりますが、医療事務の仕事に就くにあたって必要な資格はありません。
医療にかかわる仕事ということで、医師や看護師のように資格が必要と思われがちですが、実は資格不要の業務になります。
資格不要というと、取得する意味がないのではと思われる方もいらっしゃると思いますが、医療事務の業務は覚えることが非常に多く、常に勉強が必要な分野です。
また給与や評価アップをしたいという方は、仕事以外でのアピールとして資格取得は一つの大きなポイントとなります。
経験が重視される業界ではありますが、どれくらい知識がついているかを把握できる資格は取得していて損することはありません。
そのため「もっと知識をつけたい・整理したい」「就職活動を少しでもうまく進めたい」「仕事上の評価を上げたい」という方は資格取得にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
ここでは2章で一般的な医療事務の仕事に関する内容が問われる資格について紹介し、3章でより医療事務の仕事をレベルアップさせるための資格を紹介していきます。
2.医療事務の資格(基礎編)
まず、この章では医療事務の入門・基礎となる資格として4つの資格を紹介します。
- 診療報酬請求事務能力認定試験
- 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)
- 医療事務管理士技能認定試験
- 医療事務認定実務者
それぞれ認定機関が異なるものを取り上げています。
おすすめとしては「診療報酬請求事務能力認定試験」となりますが、こちらの試験は医療事務の中では難しい部類になります。
まずは簡単なものから挑戦したいという方は「医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)」「医療事務管理士技能認定試験」「医療事務認定実務者」のどれかから挑戦してはいかがでしょうか。
診療報酬請求事務能力認定試験
日本医療保険事務協会が実施する資格試験で、数ある医療事務の資格のなかでも評価が高い資格です。
この資格の評価が高いポイントとして、厚労省が認定した公的資格であること、医療事務の試験でも最難関と言われいてる点です。
試験では、医療事務業務や保険、法律の知識、レセプト作成業務など広い知識が求められます。
試験時期 | 7月、12月 |
受験料 | 9,000円 |
受験要件 | なし |
試験科目 | 学科試験、実技試験 |
合格基準 | 学科試験70点以上、実技試験80点以上(それぞれ100点満点) |
試験会場(形式) | 全国主要都市 |
受験規模・合格率 | 2019年度は約10000人が受験、約30%が合格 |
評価も高い資格ということで、おすすめの資格としています。
医療事務最難関と言われている資格ですが、世の中の難関資格試験に比べればさほど難しいレベルではありません。
しかしながら学科試験の問題数も多く、実技試験もあるため、未経験者には難しい資格でもあります。
実務経験もあり、テキスト等を見て、何とかなりそうという方はこの資格からチャレンジしてみください。
資格試験サイト:診療報酬請求事務能力検定試験(日本保険医療事務協会)
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)
日本医療教育財団が実施する試験です。
医療事務の基礎を確認する試験で古くから実施ているということもあり、受験者数も多いのが特徴です。
その他に試験の特徴としては、患者接遇が試験科目に入っていることや在宅で受験が可能ということです。
入門にはちょうどいい試験で毎月かつ在宅で受験できることから、受験することへのハードルも非常に低いです。
そのためまず入門として受けたいという方はこちらの資格がおすすめです。
試験時期 | 毎月 |
受験料 | 7,700円 |
受験要件 | なし |
試験科目 | 学科試験1科目、実技試験2科目 |
合格基準 | 各科目70点以上 |
試験会場(形式) | 在宅 |
資格試験サイト:医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)(日本医療教育財団)
医療事務管理士技能認定試験
技能認定振興協会(JSMA)が実施する試験がこちらになります。
医療事務の資格としては日本最初の資格で、医療機関に幅広く認知されています。
試験の内容としては学科試験で「保険制度」「保険請求事務」などが問われ、実技試験ではレセプトの点検・作成問題が問われます。
こちらの試験は会場だけでなく、インターネット試験(IBT)での受験を選ぶことができるので、すぐに受験ができ、すぐに結果を知ることができます。
試験時期 | 奇数月の第4土曜日 |
受験料 | 7,500円 |
受験要件 | なし |
試験科目 | 学科試験、実技試験 |
合格基準 | 70%以上(実技試験は各問題50%以上) |
試験会場(形式) | インターネット試験or会場 |
受験規模・合格率 | 約50%が合格 |
資格試験サイト:医療事務管理士技能認定試験(技能認定振興振興協会)
医療事務認定実務者
全国医療福祉教育協会が実施する試験が医療事務認定実務者となります。
こちらの試験も医療事務の基礎と言える患者対応、保険制度、保険請求業務から出題されます。
問題数も少なく、実技のレセプト作成も1症例となっていて、テスト慣れしていない方にも気負わず受験できる資格となっています。
合格率も非常に高く、一つずつステップを踏んで受験していきたい方の最初の資格としておすすめできる資格となります。
試験時期 | 毎月 |
受験料 | 5,000円 |
受験要件 | なし |
試験科目 | 学科試験、実技試験 |
合格基準 | 60%以上(※変動あり) |
試験会場(形式) | 在宅or会場 |
受験規模・合格率 | 2018年度は約15000人、約73%が合格 |
資格試験サイト:医療事務認定実務者(全国医療福祉教育協会)
3.医療事務の資格(レベルアップ編)
この章では医療事務の知識を深くしていきたい、業務の幅を広げたいという方におすすめの資格となります。
どの資格も最低限医療事務の知識は必須ですので、入門・基礎の資格を取得または取得できるレベルの方におすすめです。
診療情報管理士
診療録の管理や診療情報の管理(コーディング等)の能力を確認するのが診療情報管理士となります。
診療録管理体制加算を算定するために、診療録記録管理者の配置が必要です。
診療録記録管理者は担当するうえで資格は不要ですが、診療録やコーディング等の知識が必要となるため、診療情報管理士の資格を持っている方や医療事務に精通した方が担当することがあります。
診療録の管理の仕事に興味があったり、この仕事に就く方は勉強のためにこの資格の取得を目指してはいかがでしょうか。
試験時期 | 2月 |
受験料 | 10,000円 |
受験要件 | あり |
受験規模・合格率 | 2019年度は約3200人、約62%が合格 |
資格試験サイト:診療情報管理士
医師事務作業補助技能認定試験(ドクターズクラーク)
メディカルクラーク同様、日本医療教育財団が実施する試験です。
医師の事務仕事をサポートする医師事務作業補助者に必要な知識・能力を確認する資格試験となります。
医師事務作業補助体制加算を算定するうえでの医師事務作業補助者は担当するうえで要件がありますが、明確にこの資格が必要とまでは明記されていません。
しかしながら医師の仕事をサポートするため、多くの知識が必要ですし、教育を受けることが必須になっています。
そのため、その内容をしっかりと学び確認するのがこの医師事務作業補助技能認定試験となります。
試験時期 | 奇数月 |
受験料 | 9,200円 |
受験要件 | あり |
資格試験サイト:医事事務作業補助技能認定試験(ドクターズクラーク)
PC関連の資格
医療事務の仕事ではPCを使用することが多いことから、業務を円滑に進めるためPCスキルを習得は必須と言えます。
PCスキルに関する資格取得も医療事務に負けず多くの種類がありますが、ここでは入門にちょうどいいレベルの資格を取り上げます。
- MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
- 日商PC検定試験
- 情報処理技術者試験(ITパスポート、情報セキュリティマネジメント)
どの資格も入門レベルから、専門レベルまで資格が分けられています。
MOSや日商PC検定試験の入門となる資格はオフィス等の使用方法を問われる試験ですので、PCの使い方の基礎からという方はこのレベルから目指してください。
PCの知識全般を広く勉強したいという方はMOSや日商PC検定試験のレベルをあげて受験、または情報処理技術者試験のITパスポートや情報セキュリティマネジメントに挑戦してみてはいかがでしょうか。
資格試験サイト
4.勉強方法
医療事務資格取得のための勉強方法は大きく二つです。
- 独学で勉強
- 通学・通信講座で勉強
それぞれのポイントについて紹介していきます。
独学で勉強
独学で勉強がおすすめな方はすでに医療事務の仕事に就いていて、ある程度知識がある方です。
また、効率よく勉強ができ、こういった知識の習得が早い方も独学で可能な範囲の資格と思います。
独学の場合は各資格の参考書や医療事務の仕事の内容がまとまった本で勉強しましょう。
一人で勉強する分、目標や達成する基準がぼやけてしまうことがあるので、目指すところやどこまで勉強するという目標はしっかりと定めて取り組みましょう。
医療事務の用途別のおすすめ本はこちらにまとめているので、興味がある方はご覧ください。
https://medical-information-room.com/medical_coding_book_recommendation/
通学・通信講座で勉強
独学では厳しいと思った方は、通学・通信講座を利用してみてはいかでしょうか。
通学・通信講座では医療事務の知識習得や資格取得のためにカリキュラムが組まれていて、効率よく勉強ができます。
また、わからないところがあった場合はフォローしてくれる体制もあるので、しっかりと一つずつ理解していきたいという方にはおすすめです。
多くの通学・通信講座があるので、そのなかでもおすすめの講座をいくつか紹介します。
おすすめ資格の診療報酬請求事務能力検定試験であれば、ヒューマンアカデミーの医療事務講座がおすすめです。
https://medical-information-room.com/medical_office_course_human_academy/
メディカルクラークを取得するならニチイの医療事務講座をおすすめです。
まとめ:医療事務のおすすめの資格
医療事務のおすすめ資格を紹介しました。
資格それぞれでレベルも違いますし、受験方式などそれぞれ特徴があることが理解できたと思います。
自分の力量と試験の難易度とを相談しながら、受験する資格を選んでみてください。
最後にこの記事のまとめになります。
- 医療事務の仕事に就くにあたっての資格は不要だが、レベルアップに勉強・資格習得は必要不可欠
- 難易度を知り、自分の力量にあった資格を選ぶことが大切