DPC調査の様式1で入力項目にある「FIM」。
FIMの得点は入力する項目が多いため、この項目をよく知らない方は少なくないのではないでしょうか?
また、これから様式1を作っていく医療機関や担当者にとってはどういったときに入力していいのか分かりにくい項目ではないでしょうか?
ここではFIMとはなにかから、様式1でのFIMの扱いについて紹介していきます。
この記事は2020年診療報酬改定をもとに作成しています。
目次
1.FIMとは?
まずはFIMとは何か?どういった評価をするのかについて紹介していきます。
1.1 FIMとは何か?
FIMとはFunctional Independence Measureの略で、機能的自立度評価法のことをさします。
機能的自立度評価法と言われてもパッと想像できる人は少ないかもしれません。
FIMは食事やトイレ、歩行など日常生活の動作を評価するスコアで、生活の動作の自立度を評価します。
リハビリテーションをはじめとした分野で使用されています。
また、回復期リハビリテーション病棟入院料を算定する場合はFIMで評価を行い、実績指数を計算して届け出る必要があります。
1.2 FIMの評価項目
FIMは大きく運動項目と認知項目の2つにわかれ、運動項目は13項目、認知項目は5項目の計18項目で評価を行います。
運動項目の13項目は下記を確認します。
- 食事
- 整容
- 清拭
- 更衣(上半身)
- 更衣(下半身)
- トイレ動作
- 排尿コントロール
- 排便コントロール
- ベット・椅子・車椅子(移乗)
- トイレ(移乗)
- 浴槽・シャワー(移乗)
- 歩行・車椅子(移動)
- 階段(移動)
続いて認知項目は下記の5項目です。
- 理解(聴覚・視覚)
- 表出(音声・非音声)
- 社会的交流
- 問題解決
- 記憶
これらの項目に対して自立度合で1~7点で評価を行います。
- 7点 完全自立
- 6点 修正自立
- 5点 監視
- 4点 最小介助
- 3点 中等度介助
- 2点 最大介助
- 1点 全介助
それぞれ評価を行い、合計点数は126~18点の評価になります。
参考文献
■日常生活動作(ADL)の指標 FIMの概要
2.様式1でのFIMの取り扱い
2016年度の診療報酬改定で様式1の入力項目になったFIM。
ここでは様式1にどういったときに入力するか、どういった内容を入力するかを見ていきたいと思います。
2.1 様式1でのFIMはどういう条件で入力するか
様式1ではFIMは入力必須の項目ではありません。
ではどういったときに入力するのか?
FIMは入院期間中に回復期リハビリテーション病棟入院料(以下、回リハ)を算定した期間がある場合に入力します。
もし入院期間中に回リハを算定した期間が複数回あった場合は、日付の早い期間から最大3つまで入力することも決められています。
2.2 様式1のFIMで入力する内容
様式1でのFIMは回リハを算定し始めたタイミングと算定を終了したタイミングのそれぞれで入力します。
入力項目は開始日、終了日それぞれで日付、FIM得点、体重を入力する形になります。
体重は2018年度の診療報酬改定から追加になっており、FIMを入力する患者でも任意入力項目になっています。
FIMの得点は1.2章の評価項目にそって、得点を付け18桁のコードで入力します。
改めて評価の項目を調査実施説明資料から抜粋にはなりますが掲載します。
合計点数を入力するのではなく、それぞれの評価の点数をつなげて記載します。
極端な例にはなりますが、すべての評価項目の得点が1の患者さんは111111111111111111となります。
入力する順番は調査実施説明資料に記載されている順番になるので間違ずに入力したいところです。
参考文献
■調査実施説明資料
まとめ:様式1でのFIM項目の取り扱い
様式1でのFIMの取り扱いについて紹介してきた。
入力項目が多い項目ですので、転記等される場合は注意したい項目になります。
最後に様式1でのFIMの取り扱いのまとめになります。
- FIMは食事やトイレ、歩行など日常生活の動作を評価するスコア
- 様式1では入院期間中に回復期リハビリテーション病棟入院料を算定した場合に入力する
様式1は他にも多くの入力項目があります。
様式1の特徴やその他の入力項目の概要を知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
https://medical-information-room.com/dpc_research_style1/