医療情報技師の医学医療系の頻出問題を解説するページになります。
医療情報技師を目指す人はもちろん、医療情報分野について学びたい方にもわかりやすく紹介していきます。
今回紹介するのは『全国がん登録』となります。
今回抑えておきたい内容をこちらになります。
- 全国がん登録とは?
- 全国がん登録の入力項目は?
医療情報技師の試験の内容について知りたい方はこちらの記事をあわせてご覧ください。
1.全国がん登録について
全国がん登録とは、日本でがんと診断されたすべての人のデータを、国で1つにまとめて集計・分析・管理するものです。
2016年1月からスタートした制度で、それまで地域がん登録、院内がん登録がありましたが、地域がん登録等での問題を踏まえたものになります。
全国がん登録で集められた情報は、がんの罹患数、進行度、生存率などがんの治療に役立てられれています。
この全国がん登録は「がん登録等の推進に関する法律」に基づいて実施されており、全国の医療機関はがんと診断された人のデータを都道府県知事に届け出ることが義務化されます
ここで抑えておきたいのは収集する項目です。
入力項目は26項目あり、主要項目は下記になります。
- がんと診断された人の氏名、性別、生年月日、住所
- がんの診断を行った医療機関名
- がんの診断を受けた日
- がんの種類
- がんの進行度
- がんの発見の経緯
- がんの治療内容
- (死亡した場合は)死亡日
特徴となるのは個人情報が入力項目に入っていることです。
こういったデータの収集は基本的に個人情報は省きますが、がん登録に利用できる“国民番号”のようなものがないため、登録漏れの防止や追跡調査などに個人情報を利用せざるを得ない状況になっているそうです。
よく問われるところですので抑えておきましょう。
2.過去5年の出題状況
過去5年の出題状況は以下のような形になっています。
年度 | 出題の有無 |
2019年度 | 〇 |
2018年度 | |
2017年度 | 〇 |
2016年度 | |
2015年度 | △ |
ここ5年は出題傾向としては、隔年ごとに出題されています。。
2015年度は地域がん登録として問題が出題されています。
年々データの利活用が注目されているので、全国がん登録の問題もしっかりと抑えておきたい内容です。
3.例題(過去問)
全国がん登録の例題として過去問を2問用意しました。
3.1 1問目
問題
がん登録について誤っているのはどれか。
1.全国がん登録では患者氏名も登録される
2.地域がん登録は全国がん登録に統一された
3.すべての病院で臓器がん登録が実施されている
4.法律に基づいて全国がん登録が実施されている
5.すべての病院はがん患者の情報を都道府県に届け出る
解答
解答は3になります。
臓器がん登録は学会や研究会が中心となって集めているため、そこに参加している病院や団体での収集が中心になっていることから誤りになります。
こちらは2019年の試験で出題された問題になります。
3.2 2問目
問題
がん登録等の推進に関する法律について誤っているのはどれか。
1.がんに係る調査研究に活用する
2.収集する情報に個人情報は含まれない
3.がんの診療に関する詳細な情報の収集を図る
4.各都道府県の登録室へがん患者の罹患情報を届け出る
5.罹患、診療、転帰等の状況をできる限り正確に把握する
解答
解答は2になります。
収集する情報には氏名や生年月日の個人情報が含まれるため誤りになります。
こちらは2017年の試験で出題された問題になります。
まとめ:全国がん登録について
医療情報技師の医学医療系の対策として「全国がん登録」を取り上げました。
医療のデータ分析が注目されている中で、全国がん登録もその一つとなります。
対象の傷病もがんということで、今後の日本の医療を支えていく制度とも考えられるのでしっかりと抑えておきたい制度となります。
最後にまとめとなります。
- 全国がん登録とは、日本でがんと診断されたすべての人のデータを、国で1つにまとめて集計・分析・管理するもの
- がん登録で収集される項目には氏名や生年月日といった個人情報が含まれる
医療情報技師の過去問を重点的に実施したい方はこちらの過去問集もあわせてどうぞ。