2018年の診療報酬改定で追加になった提出データ評価加算。
この提出データ評価加算について、こんな悩みをお持ちではないでしょうか?
- 提出データ評価加算がどういう加算かわからない
- 提出データ評価加算をどう算定していいかわからない
このような疑問に、ここでは、の3点を中心に提出データ評価加算について紹介していきます。
- データ提出加算とは?
- 提出データ評価加算とは?
- 提出データ評価加算はどのように算定する?
私は医療事務のシステムメーカーでデータ提出をサポートするシステム開発・コンサルの業務に従事し、お客様の対応をしてきているので、医療機関や各メーカーがよく抱えている悩みを中心にこの記事では紹介していきます。
※この記事は2020年診療報酬改定をもとに作成しています。
目次
データ提出加算でおさえておきたい3つのポイント
まずデータ提出加算とはそもそもどういう加算か?についてです。
提出データ評価加算を知るにはデータ提出加算を抑えていることが前提になります。
ここではデータ提出加算の基本的な内容を知るうえで、
- データ提出加算とはどんな加算?
- データ提出加算加算の分類と点数
- データ提出加算の重要性
この3つにポイントをおさえて紹介していきます。
データ提出加算の記事を抜粋してここでは紹介させていただきます。
ポイント1「データ提出加算とはどんな加算?」
データ提出加算は入院加算の一つで、DPCデータを正確に作成し継続して提出されることを評価したものです。
簡単に言えば、入院患者に関するデータをルールに基づいて作成し、期限までに提出すれば入院加算を算定できますよというものです。
原則入院中1回に限り、入院時に加算点数を算定することができます。
また、2020年度の診療報酬改定以降、特定の入院料を算定している場合、90日に1回算定することができるようになりました。
ポイント2「データ提出加算の点数」
データ提出加算は「データ提出加算1」「データ提出加算2」「データ提出加算3」「データ提出加算4」に分かれています。
それぞれの項目に点数が設定されていて、下記の点数が設定されています。
データ提出加算1(入院初日)
イ 許可病床数が200以上の場合 140点
ロ 許可病床数が200未満の場合 210点
データ提出加算2(入院初日)
イ 許可病床数が200以上の場合 150点
ロ 許可病床数が200未満の場合 220点
データ提出加算3(入院期間が90日を超えるごとに1回)
イ 許可病床数が200以上の場合 140点
ロ 許可病床数が200未満の場合 210点
データ提出加算4(入院期間が90日を超えるごとに1回)
イ 許可病床数が200以上の場合 150点
ロ 許可病床数が200未満の場合 220点
提出データ評価加算 40点
提出データ評価加算は2018年の改定の時は20点でしたが、2020年の改定で40点に上がりました。
ポイント3「データ提出加算の重要性」
なぜこのデータ提出加算が重要視されるのか?
なぜDPCデータを作成する作業を行ってまで、このデータ提出加算を算定するのか?
そういった疑問を持たれる方は多いと思います。
結論としては算定することで点数がとれるのはもちろんありますが、他の入院料の算定に必要となるからです。
ここ数年でデータ提出をしていることが様々な入院料算定の条件になってきているため、年々このデータ提出加算は重要性は上がってきています。
提出データ評価加算
この章では提出データ評価加算のポイントについて一つずつ見ていきます。
そもそも提出データ評価加算とは?というところからはじまり、施設基準のポイント、施設基準で使用されている用語の解説を行っていきます。
提出データ評価加算とは
2018年度の診療報酬算改定で追加された提出データ評価加算についてこの章では取り扱っていきます。
提出データ評価加算とは名前の通りで、質の高いデータを継続的に提出している場合に算定することができます。
ただこの「質の高いデータ」「継続的に提出している」がなかなか曲者なため施設基準のポイントで紹介していきます。
算定は入院中1回に限り、退院日に算定できます。
提出データ評価加算の施設基準
こちらも詳しくは施設基準等を読んでいただきたいのです が、その中のポイントをいくつか掻い摘んで紹介します。
- データ評価加算2のロ、4のロの届け出を行っている
- 診療内容に関する質の高いデータを継続的かつ適切に提出している
1つ目のポイントは記載の通りで、データ提出加算2のロ、4のロ届け出を行っていることが必須になります。
そのためデータ提出加算2のロ、4のロの届け出に必要な要件はもちろん満たしている必要があります。
2018年に新設された際にはデータ提出加算2が算定要件でしたが、200床未満の要件が2020年度から追加されました。
データ評価加算2について詳しく知りたい方は、あわせてこちらの記事も参考にしてみてください。
2つ目のポイントですが、こちらの内容はさらに大きく二つのポイントがあります。
- 提出データ評価加算を算定する前6か月に一度も提出の遅延等がない
- 当該加算を算定する月の前月以前に提出した直近3か月分のデータ及び提出データと同じ期間における未コード化傷病名の割合の基準を満たすこと
これを満たして質の高いデータを継続的に提出しているといえるみたいです。
とくに1点目が一つのポイントで、データ提出加算2のロ、4のロを届け出てそこから6か月は継続的に提出していないと算定できないので、毎月しっかりとデータを作成し提出する必要があります。
これまで継続的に提出してきていた病院に関しては、2つ目が満たされれれば算定できると思います。
この2点のポイントを次の章でさらに詳しく見ていきます。
データ提出の遅延等とは
提出データ評価加算の施設基準にも記載のあるデータ提出の遅延等についてみていきます。
はじめこれを見たときは遅れずにデータを出していればいいのかなと思いがちですが、それだけではありません。
詳しくは調査実施説明資料を見ていただきたいのですが、定められた期日までに定められた方法で、定められたデータを提出していないと遅延等になるそうです。
提出データが媒体に書き込みされていない場合はもちろん、提出媒体や配達方法も指定があるので、提出日を守っているだけではいいということではないので留意したいところです。
未コード化傷病名
次は未コード化傷病名の割合についてです。
DPCデータの様式1やEF外来ファイル、診療明細書にはレセプト電算処理用の傷病名コードの入力が求められます。
このとき傷病名コードをわりふれないときは未コード化傷病名として0000999を割り振ります。
この未コード化傷病名の割合が
- 様式1、EF外来ファイルで2%未満
- 医科に関する診療明細書で10%未満
前月以前に提出した直近3か月において満たしている必要があります。
届け出の有無
データ提出加算は届け出が必要でしたが、提出データ評価加算は届け出が不要です(平成30年3月30日 疑義解釈より)。
データ評価加算2を届け出ていて、算定の要件を満たしていれば届け出不要で算定できるとのことです。
ただし、疑義解釈にも記載がありますが結果を記録し保存する必要があります。
具体的には下記になります。
- 評価月の様式1
- 外来EFファイル
- 入院レセプト
- 入院外レセプト
- DPC対象病院においてはDPCレセプト
これらの傷病名コード の総数及び未コード化傷病名の数を記録し、年度毎に各月の状況を保存することになっています。
まとめ:提出データ評価加算のポイント
2018年に追加された提出データ評価加算のポイントを紹介しました。
算定要件は複雑ですが、しっかりデータ評価をしてきている医療機関は算定できると思うので、提出状況を確認して算定したい加算です。
最後に提出データ評価加算のまとめです。
- 提出データ評価加算は質の高いデータを継続的に提出していることに対する加算
- データ提出加算2のロ、4のロの届け出が必要
- 診療内容に関する質の高いデータを継続的かつ適切に提出している
参考資料
告示3 基本診療料の施設基準等
保医発0305第2号 基本診療料の施設基準等及びその届け出に関する手続きの取り扱いについて
令和2年度データ提出加算に係る説明資料
調査実施説明資料
疑義解釈
診療点数早見表 2020年4月版